はじめに
太郎@不動産投資の歩き方です!
日本政策金融公庫に融資申込をする際は、創業計画書を提出しますが、それだけでは不十分です。事業に対する思いや、計画性や実行する知識や経験についてまとめた「別紙資料」を作成することで、融資承認や面談をスムーズにすることができます。
創業計画書+「別紙資料」をセットで提出すると最強です。
公庫融資を考えている方はぜひお読みください。
本記事のテーマ
・面談で公庫担当者に褒められるようになれます
・公庫担当者の視点で見ることができる
・融資が承認される資料の作り方
※無料テンプレート付
記事の信憑性
・記事を書いている私は、公庫から半年で2回融資を受けています。
通常、連続で公庫融資を受けるのは難易度が高いと言われています。
- はじめに
- 本記事のテーマ
- 記事の信憑性
- 【1】日本政策金融公庫融資の基礎
- 【2】公庫担当者は何を見ているのか?
- 【3】融資承認や面談をスムーズにするための別紙資料
- まとめ
- 公庫融資創業計画書の別紙資料作成用無料テンプレート
【1】日本政策金融公庫融資の基礎
「敵を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」孫氏の有名な教訓です。ここでは融資承認までについて解説します。
【1-1】公庫融資承認までの審査の流れ
1、面談 資料だけではわからないことを本人からヒアリング
2、担当者が支店課長へ書類を提出する
3、支店課長が支店長に書類を提出する
4、承認
ほとんどの金融機関はこの流れでだと思います。申込者から見ると担当者は通過すべき壁のように思っているかもしれませんが、実際は申込者の代弁者です。担当者が書類を作りやすいようにすれば融資の承認確率が高まります。
【1-2】公庫融資で重要な3つのポイント
1、個人のスキル
2、事業計画の見通し
3、資金調達の計画
公庫融資ではこの3つを重要視しています。
1、個人のスキル
・不動産賃貸業に関わる知識は十分か
・経験は十分あるか
・人柄はどうか
2、事業計画の見通し
『事業計画ができていない=経営者として失格』として見られます。
想定外の事態が起こっても経営を続けられるのかなどを見ています。甘い計画だと思われると承認されることはないでしょう。
事業計画は自分で作ることをオススメします。そうでないと担当者からの質問に答えられません。誰かが作ったものをコピーしたりしてもすぐにバレます。
3、資金調達の計画
・自己資金
・運転資金
この2つが重要です
なぜ自己資金が重要なのか?
公庫の創業融資は基本的に代表者を連帯保証人に取りません。その代わりとして代表者に相応の自己資金を求めます。
自己資金を出すことで経営者にもある程度のリスクを負わせているのです。
運転資金が重要な理由は?
黒字倒産という言葉を聞いたことがありますか?これは黒字なのに運転資金がなくなったことで倒産することです。
事業計画をする時に運転資金を計画していないのは最悪です。 運転資金がなくなったら、自分の貯金から出せばいいじゃないと思う人もいるでしょう。
公庫の融資はその事業だけで収支が合うことが前提です。資金が足りなくなるような計画では厳しいでしょう。
【2】公庫担当者は何を見ているのか?
公庫の使命は雇用を創出する事業に融資をして投資資金を回収することです。きちんと運営できる事業や人に投資するわけです。
公庫てしても回収できないことを避けなければならず、真剣に審査をしています。
事業計画を作る際は空白を埋めるという考えから離れましょう。
『もし自分がお金を貸す立場なら何を見るだろう』という視点で作成すれば難しいことはありません。
【2-1】担当者の目線
・なぜ不動産賃貸業を始めたいのか?
・なぜこの物件を購入したいのか?
・入居者を確保できるのか?
・入居者確保のための戦略は?
・ターゲットは?
・空室が続いた場合の対策は?
・競合対策は?
担当者はこんなことを考えています。不動産賃貸業はビジネスなので、売上はいくらあるか?はとても重要です。
【2-2】担当者は一歩先を知りたがっている
担当者は、売上がいくらか?とうい質問のその一歩先を踏み込んで考えます。
それは『売上の根拠は?』です 不動産賃貸業における根拠はなんですか?
この質問にあなたはどう答えますか?
<悪い例>
「家賃5万円で6室だから月間30万円、年間360万円です」
<良い例>
「年間売上の予測は360万円です。その理由は、ネットで調べた周辺の相場家賃は4〜6万円だったことと、周辺の不動産屋に5社ほど直接訪問してヒアリングしたところ直近40件のデータでは、同程度の部屋が平均5.5万円で入居していたので、それより安い5万円を想定家賃にしています。」
ここで重要なのは長い説明をすることではありません。
数字的なストーリーを語れるかどうかです。根拠のない売上は全く意味はないのです。
「結論 → 根拠」の順で説明すること、根拠をとなる情報をしっかり集めていることをアピールする必要があります。
【3】融資承認や面談をスムーズにするための別紙資料
公庫書式の創業計画書は事業プレゼンの要約版でしかありません。各項目の枠が小さいので、詳細な説明はできません。
融資承認や面談をスムーズに行うために創業計画書とは別にA4用紙2枚程度に創業計画書には書ききれなかったアピールポイントを「別紙資料」としてまとめて提出することで、きちんとした計画性があり、事業の良い面も悪い面も理解していることを示すことができ、融資の承認の可能性が高まります。
面談ではその資料をもとにプレゼンができるので、面談が不得意という人でもスムーズにできるでしょう。
【3-1】別紙資料作成でアピールポイントをうまく伝える
ここまで読んでいただいて「別紙資料」が必要だとわかっていただけたと思います。では何を書けばいいのか?ポイントは経営をできるだけの知識と経験があり、事業の計画がしっかりしていてその根拠を理解していることをアピールすることです。
【3-2】別紙資料でアピールすべき3項目
1、創業動機や知識経験について
2、ターゲット設定
3、立地と競合について
この3項目をわかりやすくまとめることで、事業のことをどれだけ理解しているのかをアピールできます。
【3-3】別紙資料の作成方法
ここでは具体的に各項目の作成方法を解説します。
この記事の最後に別紙資料の作成用テンプレートを差し上げています。簡単のものですがご希望の方はご自由に使ってください。
【3-3-1】創業動機や知識経験について
なぜ不動産賃貸業を始めたいのか?そのための知識や経験は十分について記入します。 なぜ不動産賃貸業を始めたいのか?
<悪い例>
「本などを読んで興味があり、その中で開業の思いが強くなりました。」
<良い例>
「住居としての家に以前から興味があり、自分も賃貸に住んでいて住み心地の良い部屋について考えていました。
何度か引越しをした経験から満足できる部屋とそうでない部屋があることに気がつき、賃貸業について勉強をしていました。
いい部屋とはなにかを考えたり調べ、ノートにまとめてきました。いい部屋の良い点がわかるにつれて開業を考えるようになりました。
今まで不動産賃貸業の経験はありませんが、本やネットで知識を深め、実際に物件を100件くらい見てきた中でたくさんの知識を蓄え、事業をしている人と知り合いになりアドバイスをもらえるようになりました。
今まで知り合ってきた人のサポートを受けながら賃貸業を開業したいと考えています。」
不動産賃貸業を始めてないけど、そのための知識や経験があることをアピールしましょう。
【3-3-2】ターゲット設定
入居者のターゲット層をどこに設定しているのかやそのターゲットに対してどのような対策をするのか等を記載しましょう。
ペルソナ設定をしましょう どんな入居者を想定するか?これはとても重要です。マーケティングの手法として商品を購入する人のペルソナ設定というのがあります。
それは、自分の物件に入居する人はどんな人なのかを想定することです。
<設定したターゲット>
・性別 男性
・年齢 20~60歳
・職業 会社員
・収入 200~400万円
・家族構成 単身
・住居に対するこだわり
安くてそれなりであればいい
特にこだわりはない
・生活 食事はコンビニやスーパーがメイン
料理などはしない
移動は車
家ではネットかテレビを見る
風呂はシャワーのみ
・前居住地 茨城県内、栃木県
・勤め先 近隣の工場やスーパー
・出勤時間 8時ごろ
・帰宅時間 19時ごろ
・車種 軽自動車かミニバン
・休日の過ごし方 家にいることが多い
友人と食事など
<ターゲット層に対する対策>
「ここで設定したターゲット層はっ休日家にいることが多いので無料インターネットをつけることで大きな差別化が図れます。
実際に周辺で無料ネットを導入している部屋は全体の2%しかありませんでした。」
ターゲット層を記載するだけではアピールになりません。そこに対する対策を書くことでより評価される内容になります。
【3-3-3】立地と競合について
<立地>
不動産賃貸業において立地はとても重要です。設定したターゲットが好む施設があるかなどをきちんと調べておきましょう。 ターゲット層が希望する施設が多数あることを記載します。
★★近くにスーパー、コンビニなど多数
■マスダ〇〇店(スーパー)まで495m
■セブンイレブンまで777m
■ウエルシア(ドラッグストア)まで600m
■ビバホーム(ホームセンター)まで1117m
■カスミ(スーパー)まで1371m
■○○市役所庁舎(役所)まで1273m
<競合分析>
地域の空室率は?競合となる部屋はどのくらいあるのか?など調べることはたくさんあります。最新の空室率データは私が調べたデータを公開していますのでご覧ください。
「周辺の空室率は平成20年と比較して5%改善しています。(総務省統計局のデータより)ネットでは同じような部屋の募集が165件あり平均家賃は6万円です。
所有の部屋はインターネット無料で5万円を価格的メリットも高く、スーパーやコンビニも近くにあり競合に勝っています。」
まとめ
売上の想定はいくらで、最終利益はこのくらいですと根拠のない数字を書いても、担当者目線では「想定が甘すぎる」と思われるだけです。
どうしてその売上なのか、達成するために何をするのかなどをわかるように記載して、安定経営ができる根拠をしましましょう。
項目を3つに分けて記載することでわかりやすくなります。書くことで足りないポイントも見えてきますのでオススメです。
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